ある1人の男性の死に思う・・・

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ある1人の男性の死に思う・・・
2015/06/16

彼は“根っからの岸和田の男性”という雰囲気を持っていました。昔かたぎで人が良く、正直者、金儲けは下手!女性には全くモテないタイプです。といっても60歳以上のおばさんには大変人気があります。当然祭り好きです!だんじりのことは彫り物はもとより、鳴り物から小さな道具1つをとっても大変細かいことまで知っています。そればかりではなくだんじりの歴史や祭りに関わる人間関係に至るまで、彼にだんじりのことを話させれば一晩や二晩は飽きません。・・・おっと、彼に言わせれば彼は決して“祭り”は好きではないそうです。”祭り”ではなく”だんじり”が好きだそうです。私には「どこが違うねん?」と思うのですが、彼曰くそれは全然違うそうです。その違いは、私にぼんやりと理解できたことは、次のようなことです。“祭り好き”という輩は、ただ、”祭り”の浮かれた雰囲気が好きなだけで、決して”だんじり”をじっくりと見ようとしないそうです。それに対して”だんじり”が好きな人は、祭りになって躍動している“だんじり”そのものが好きで、祭りの間中、決して“だんじり”を離れようとしない。もちろん祭りに地方からの客を呼ばない・・・というのが常識だそうです。

彼の親父は、もう30年か40年ほど前に亡くなっていて、それ以降はずっとお母さんと2人で暮らしていました。私は「彼はこのまま独身を通すのだろうな~」と失礼ながら思っていました。ところがそんな彼も、50歳を過ぎた頃でしょうか?・・・17歳も年下の彼女を連れてあたりをうろうろするようになりました。今回の知らせをくれたのも、実はその彼女からでした。じっくりと彼女とは話したことはなかったのですが、今回の件で少しゆっくりと話すことが出来ました。結局彼女の方の親に反対されて籍も入れずじまいで、実の親には勘当状態。今後のこともまだ全く考えていないそうです。「あんまりないかもわからんけど、協力できることはするでー。遠慮なしに相談してな~。」とだけ話しました。

・・・・多くの人にとって、彼の死は大きな影響もなく忘れられてしまうでしょう・・・。けれども確かに彼はこの世で存在していましたし、私を含めて彼の周りの何人かの人は彼のことを忘れないでしょう・・・。

・・・うまく言えないですが、数えきれないような このようなドラマが繰り返されているのが “社会” なんですね~。

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