薬学教育の2面性を憂う・・・パート5~調剤テクニシャンの不合理性~

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薬学教育の2面性を憂う・・・パート5~調剤テクニシャンの不合理性~
2015/04/12

私が初めて「テクニシャン」という言葉を知ったのは、大学院時代に研究職をしていた先輩から教わりました。財力のある研究室には「テクニシャン」がいてルーチンな実験は彼らに任せるのが普通で、薬剤師は研究の目的やポイントを彼らに伝えるだけです。優秀な「テクニシャン」になるとその先輩など研究者が行うよりずっと早く正確な実験が出来るそうです。けれども決して研究者は、その「テクニシャン」に自らの業務を奪われるような切実な思いは持っていません。それは、その研究の意義を見つけ、データを解析し考察を加えて今後の方向性を模索するのはあくまでも研究者であって「テクニシャン」にはできない事であるからです。

それを考えると薬局薬剤師の調剤業務も本来は「調剤監査」はもとより、「処方解析」、「処方鑑査」がその主たる業務で、物理的にもその業務に薬剤師が追われるようであれば何の心配もなく「テクニシャン」の導入を歓迎するのですが、実際にそうはなっておらず、薬剤師業務の大部分はルーチンな処方箋調剤業務となっているのが現状です。

・・・本来そうではないのですが・・・。上記したような業務に戻そうとすれば、薬剤師は、かなりな覚悟を持って、医師をはじめ他のスタッフから自らの領域を奪い取らないといけません! 社会からいわゆる「分業バッシング」なるものを浴びせられている今でこそ、そのような覚悟を持って真剣に取り組まないといけない状況なのかもしれません。

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