【社長のブログ】「薬局の地域医療への貢献」ってなんですの~?

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【社長のブログ】「薬局の地域医療への貢献」ってなんですの~?
2015/03/11

去る、2月20日付の某業界紙の一面の見出し記事に「日常生活支援、施設運営、御用聞き、介護食品普及など高齢者ビジネスに相次いで参画する調剤薬局」というタイトルの記事が掲載されていました。そこには、スーツ姿の若者が山間の道路脇に軽自動車を止めて野菜などの食料品と思われる段ボール箱を運んでいる写真が掲載されています。おそらくこの方は薬剤師なのでしょう。記事の内容は見出しの通り、「超高齢社会にあって、薬局は調剤に固執するのではなく広く様々な角度からのビジネスをすべきだ!」というものです。同誌の同日付の社説には例の柏プロジェクトの中心人物、辻哲夫特任教授の言葉を引用して、薬局に対して地域包括ケアへの積極的参画を促す内容が示されています。この業界紙は、薬局の経営面からの視点で書かれている記事が多くその意味ではこの考えは十分に説得力があるものと思います。

けれども、この考えは私は、薬剤師にとっては“ある種の危機感”を感じるところがあります。どういうことかというと前回の「抗生物質」や「電解質」の注射薬が院外処方箋での保険適用が可能になった・・・、というニュースに対して、ほとんどの薬剤師がもろ手を挙げて歓迎してしまっていることに1つの警鐘を鳴らしました。この件については、どこまで薬剤師が責任を持つのでしょう?結局は看護師さん任せ、医師任せで終わってしまうことになる・・・、そのことに疑問、問題意識を持てない事には、ただ単なる薬剤師の“既得権争い”に終わってしまうのではないか?ということです・・・。

これとよく似た問題です。正直言って、今薬剤師は“在宅で”、あるいは”地域医療包括ケアシステムの中で”、何をすべきか?何が薬剤師に求められているのか?きちんと把握できていますでしょうか?・・・私はなかなかそれが十分に把握できていないのではないかと思うのです。(もちろんその悪の根源は「日本薬剤師会」です。・・・この点については改めてお話をしたいと思いますが・・・)そんな状況の中でいろんなことをやりだすと、一体薬剤師の役割って何なの?ということになってしまう・・・、利用者さんがそんな疑問を持ってしまうことも問題ですが、もっと大きな問題は、薬剤師自身が、例えば“御用聞き”が自らの業務と思ってしまう危険性もある、・・・と、私は残念ながら今の環境では疑念を抱いています。

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