“最近の「無痛分娩事故」の問題から、‟社会的使命”を思う・・・

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“最近の「無痛分娩事故」の問題から、‟社会的使命”を思う・・・
2017/08/30

そういえば、当方の近くの産婦人科病院の院長は常々産科については医療裁判が大変多いのでずいぶんとやりにくい・・・、というようなことを言っていました。”無痛分娩”というのは、「硬膜外麻酔」という麻酔科領域の、ある種特殊なスキルが求められる技術を要するにも関わらず、そんな専門的スキルを十分に持ち合わせていない産科の医師でもできる、という点をメディアは問題視しているのだと思います。言われてみれば納得できる主張です。けれども今実際に行われている”無痛分娩”の半数以上が一般診療所だということです。つまり専門的スキルを持ち合わせていない医師によって行われているということです。また欧米ではごく一般的な分娩方法でもあるということだそうですし、逆に考えればそれでほとんどの場合問題なくこれまでできていたということは、今敢えて”無痛分娩”のハードルを高めて「一定数以上の医師を抱える病院でしか行ってはならない!」というような方向性はどうも合理的ではないようにも思います。

そこで、あらためてこの「硬膜外麻酔」という手技を眺めてみた場合、麻酔薬の物性とか薬物動態の知識がその成否に大きなかかわりを持つ手技であることがうかがわれます。ということを考えてみれば、少なくとも一般の医師よりは薬物の物性とか薬物動態のスキルが身についている薬剤師が何らかの形で関与していくべきではないでしょうかねぇ。ちなみに今回の”無痛分娩”の問題に関して、どの記事を見ても「薬剤師」という名前は見つけることができませんでしたが・・・。

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